「ビジネスと人権」に関する行動計画(2020-2025)【テキスト版】

(2)人権を保護する国家の義務に関する取組

 

ア. 公共調達

 

(既存の制度・これまでの取組)

 

 これまでの取組として、我が国の公共調達手続については、「会計法(昭和22年法律第35号)」を始めとする諸法令の下、国際約束の履行を含めて適正に実施してきている。

 特に、「国等による障害者就労施設等からの物品等の調達の推進等に関する法律(平成24年法律第50号。以下、「障害者優先調達推進法」という。)」、女性活躍推進法、「暴力団員による不当な行為等の防止に関する法律(平成3年法律第77号)」、「国等による環境物品等の調達の推進等に関する法律(平成12年法律第100号。以下、「グリーン購入法」という。)」に基づき、企業に対し、人権・環境尊重に係る意識の向上を促してきている。

 また、令和元年の「公共工事の品質確保の促進に関する法律(平成17年法律第18号)」の改正により、発注者の責務として、適正な工期設定や施工時期の平準化等が規定されるとともに、公共工事に関する調査等についても、広く本法律の対象として位置付けられた。さらに、同年に「建設業法(昭和24年法律第100号)」及び「公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律(平成12年法律第127号)」があわせて改正され、長時間労働の是正(工期の適正化等)や現場の処遇改善等、建設業における働き方改革が進められている。

 

(今後行っていく具体的な措置)

 

苦情処理手続を含めた「ビジネスと人権」に関連し得る調達ルールの徹底(障害者優先調達推進法に基づく取組、女性活躍推進法第24条に基づく公共調達に関する取組、暴力団排除に関する取組)

  • 障害者優先調達推進法の着実な実施を通じ、障害者就労施設で就労する障害者、在宅就業障害者等の自立の促進を引き続き図っていく。【全府省庁】
  • 「公共事業等からの暴力団排除の取組について」(平成21年12月4日付け暴力団取締り等総合対策ワーキングチーム申合せ)等に基づき、公共事業等からの暴力団排除の取組を引き続き推進していく。【全府省庁】
  • 「女性の活躍推進に向けた公共調達及び補助金の活用に関する取組指針」(平成28年3月22日すべての女性が輝く社会づくり本部決定)等に基づき、国や独立行政法人等が価格以外の要素を評価する調達(総合評価落札方式・企画競争方式)を行う際に、女性活躍推進法に基づく認定等を取得したワーク・ライフ・バランス等推進企業を引き続き加点評価していく。【内閣府】
  • 公共工事の品質確保の促進に関する法律、建設業法、公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律及びこれらに基づく指針等の趣旨の浸透に向けて、建設業の働き方改革等を引き続き推進していく。【国土交通省】